日本のワイン

ワイン雑学塾

日本のワインの歴史

日本で産業としてワイン造りがはじまったのは、まだ100年前からです。世界に目を向け始めた政府は、1870年代に研修とブドウの樹を持ち帰るため、研究者をヨーロッパへ派遣しました。フランスやドイツの品種よりアメリカ品種の方が栽培に適していることがわかり、栽培品種としてはデラウエアが一番多く(1994年以降栽培面積が最も多いのは巨峰)、日本の葡萄畑の70%程が交配種です。ワイン造りに合ったヨーロッパ系ブドウは、甲州の他にマスカット・オブ・アレキサンドリアを荒廃したネオ・マスカットがあります。

当初から首都から便利な富士山を望む山梨県の甲府盆地周辺の丘陵地帯でした。日本の150余りの純粋なワイナリーの半数以上が集まっています。1960年代までは、山梨県の小さな会社の多くが未成熟の市場に向け、できるだけ甘いワインを造っていましたが、食生活の洋風化とともに、世界で最も手入れの行き届いたブドウから、ヨーロッパの最上級品種名ワインを生産しています。

長野でも日本で最も良質のワイン用ブドウのいくつかを栽培しています。ヨーロッパの栽培地と緯度が近い最北の北海道、神戸市周辺、山形県、岡山県などでも栽培面積は少ないですがヨーロッパ系ブドウが栽培されています。

実は太古から日本人はワインを嗜んでいた!!

八ヶ岳の南麓、長野県富士見町井戸尻遺跡群の竪穴遺跡から縄文中期の樽型土器が出土しました。この土器は高さ33cm、口縁部は平たく、首の周囲には十数個の小さな穴が空けられており、最初は貯蔵容器とされていましたが、これと同じ土器の内側に山ぶどうの種子が見つかったことから、酒の仕込み容器ではないかと言われるようになりました。さらに同じ遺跡からカップ状土器や神への献上具らしいお椀型土器が見つかり、酒を嗜んでいた形跡が濃厚と言われています。

この井戸尻遺跡は標高千mの高原地帯で、山ブドウ、クサイチゴ、サルナシなどの採集はきわめて容易な場所です。中期縄文人は、おそらく採集した液果を有孔土器に仕込んで、乳棒状土器で軽く圧搾した後、ツル科の植物で編んだふたを孔に通しふたをしたのでしょう。しばらくすると果皮などについていた野生酵母の働きによって温度が上がり炭酸ガスとアルコールに分解され、山ブドウ酒が出来上がります。 縄文人といえば山野に鳥獣を追い、河や沼で魚を獲るといった狩猟型文化の段階に過ぎないと思われがちでしたが、戦後あちこちの遺跡が発掘されるようになって、かなり高い水準の生活をしていたことが判明してきました。
分かっている限りではすでに縄文中期頃からワインを嗜んでいたであろうといわれています。正倉院御物の中にその当時渡来したワイングラスが残っています。ワインが伝来した第一号は、奈良時代にシルクロードから中国を経て上陸したと推察されています。稲作とお米による酒造りが始まったのは、弥生時代からなので、日本人が最初に飲んだお酒は、日本酒(濁り酒)ではなく山ブドウのワインだったといえるでしょう。

ワインが二回目に正確な記録として書物に登場するのは、16世紀中期で安土桃山時代のことです。南蛮貿易の際にポルトガルの宣教師フランシスコ・ザビエルが、まず薩摩に上陸し、島津貴久に謁見してその地で日本で初めて伝道をおこないました。次いで長門の領主、大内義隆にチンタ赤酒(今日のポルトガル産ポートワインだといわれている)を献上したという記録が残っています。信長や秀吉もこのチンタ赤酒を薬のように珍重して飲んでいたといいますが、このようにまだごく一部の特権階級のみでした。そして三番目が江戸末期から明治初期、貿易によってワインが入ってきました。日本においてワイン醸造が本格的に行われたのは明治時代に入ってからで、山梨県令(現知事)、藤村紫朗の勧めで、甲府の地に二人の青年が協力して醸造したのが始まりといわれ、こうして山梨で日本のワイン誕生の基礎を気づきました。

最近の日本のワイン

日常の食卓に欠かせない国産ワインは、何といっても山梨特産の甲州種から造られる甘みを残した白ワインです。甲州種ならではのブドウからくるほろ苦さを含み、日本酒を連想させるような味わいをみせます。赤ワインでは、マスカット・ベリーAから造られたものが中心です。このブドウは「日本のワインの父」と呼ばれる川上善兵衛が作り出した交配品種で、仕込み方によって違った表情を見せます。軽めに仕込んだ赤やロゼは、美しい色合いと果実の香りが楽しめるものに、これに対し充分に厚みをもったスタイルのものは、長い熟成に耐え、芳醇なワインとなります。

ヨーロッパ系品種の栽培も、年々増加し、比較的気温が低く雨も少ない本州中央部から北日本にかけての内陸の盆地が主な産地となっています。赤ワインではカベルネ・ソーヴィニヨンが中心で、カベルネ・フラン、メルローみられます。白ワインではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランが増えていますが、リースリング、ミュラートゥルガウなどドイツ系のものもあります。

また、黒ブドウのキャンベル、コンコード、白のデラウエア、ナイヤガラなどアメリカ系の品種は生食用で、その特有の香味からワインには不向きとされていますが、日本ではそれがむしろ、いかにもブドウらしいととられる面もあり、ワインに多く使われています。

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引用・参考

『地図で見る世界のワイン』ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソン共著

『日本の酒の歴史』 著:加藤べん三郎 監修:坂口謹一郎

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