チリワイン

2015 年のチリワイン輸入量は612 万ケース(18%増)。これにバルク輸入・国内瓶詰品を加えた2015 年のチリワイン販売量は708 万ケース(18.4%増)になり、フランスワインを抜いて初めて第1 位になりました。(2015年スティルワイン輸入量:1位チリ、2位フランス、3位イタリア、4位スペイン、5位米国(カリフォルニア)、6位オーストラリア、7位ドイツ、8位南アフリカ、9位アルゼンチン、10位ニュージーランド)しかし低価格品が多く、輸入金額でみると、1位フランスワイン、2位イタリアワイン、3位チリワインの順で、イタリアワインやチリワインの輸入金額はフランスワインの半分にも満たないのです。しかし、フランスワインは有史(この種のデータをとりはじめて)以来、守り続けた輸入量首位の座から陥落することになったのです。

フランスワイン、イタリアワイン、スペインワイン、ドイツワインなどヨーロッパの旧大陸のワインに対して、チリやアルゼンチン、カリフォルニア、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど新興国のワインは、ニューワールドワイン(新世界ワイン)、新大陸ワインと呼ばれています。

チリワインの躍進には、元々低い単価に加えて、日本とチリとの日本チリ経済連携協定(EPA)特恵税率適用による低減が寄与しています。他国のワインより関税が1?あたり64.65 円安い(CIF 価格145円/?のワイン、2016 年4 月? 2017 年3 月まで)。これによって販売価格が安くなり、安定した品質を大量に供給できるチリの栽培環境も味方してここ数年の間に大きく市場を広げました。

南米はヨーロッパに次ぐワイン生産大陸

 

西部の太平洋との海岸線、東部のアンデス山脈、北部のアタカマ砂漠によって囲まれた国土は南北に細長く、北から南までの総延長は約4,630kmに及びます。16世紀にスペイン人の侵入によってブドウ栽培とワインの歴史が始まりました。
1851年、チリのブドウの父と言われるシルヴェストレー・オチャガヴィアが、フランスから高級ワイン用品種を大量に輸入し、同時にフランス人の技術者を招き、ブドウ栽培とワイン醸造について指導を受けました。これがチリワインの品質向上の原点といわれています。1800年代後半、ヨーロッパにおいてフィロキセラという害虫が大発生し、フランスを中心にヨーロッパを襲ったフィロキセラ禍は、7000年に及ぶワイン史上、最大最悪の危機でした。なぜぶどうが次々と枯れていくのか、原因も対処法もわからないまま、被害は全土に及んでいきました。フィロキセラは、アメリカから持ち込まれた害虫だということがわかり、ヨーロッパのぶどうにはその耐性がなかったため、打つ手がなかったのですが、アメリカ原産品種には耐性があるとこがわかり、アメリカ原産品種の台木にヨーロッパ品種を接ぎ木をすることで被害が食い止められました。
チリではそれ以前に、フランスの苗木を大量に導入したため、チリのフィロキセラ害は皆無であり、現在でもチリのブドウ樹は全く接ぎ木されていない純粋なブドウ樹であるといわれてます。

南北に極端に細長いチリはの自然条件は、地域により大きな差があります。ブドウが栽培されているチリの中心部は、1,400kmに渡って連なる畑は、砂礫質土壌で冷たいフンボルト海流の影響で冷却され、海から内陸部へ入ってきます。そして夜にはアンデスから冷たい空気が降りてきます。チリの昼夜の温度差はきわめて大きく、これが果実の栽培に良い条件を与えます。また北部のアタカマ砂漠と南の氷河が天然の障壁となり、ブドウを害虫から守っています。降水量が年間平均300mmと少なく、雨による被害や病気も皆無に近いので、他の国で見られるような豊凶差はほとんどありません。

全生産量の約60%が赤ワインで、カベルネ・ソーヴィニヨンが醸造用高級品種の50%を超えています。白ワイン用品種はシャルドネ、セミヨンなどヨーロッパ系品種です。チリでは全国に約500のワイナリーがあり、栽培および醸造技術の進歩とともに品質が向上し世界各地への輸出が急増しています。

生産地域

チリの栽培地域は、チリ中央部、首都サンチアゴとその南北集中しています。北からアコンカグア地域、セントラル・ヴァレー、南部地域の3つに大きく分けられます。

アコンカグア地域
Aconcagua
標高7,000mを誇るアンデスの最高峰アコンカグアに発する温暖なアコンカグア川流域とその南のとりわけ冷涼なカサブランカの2地区。

アコンカグア・ヴァレー Valle de Aconcagua

19世紀の終わりには世界最大の葡萄園として通っていたが、今日では数100haブドウ栽培されているにすぎない。カリフォルニアのロバート・モンダヴィとの大きなジョイントベンチャーである「セーニャ」が、丘陵を葡萄畑に転換しつつある。
カサブランカ・ヴァレー Valle de Casablanca

サンティアゴとバルバライソの港の間に位置する。アコンカグア・ヴァレーとはとても異なった谷で、シャルドネやとくにソーヴィニヨン・ブランによる白ワインは、チリの白ワインのほぼ代名詞となっている。

セントラル・ヴァレー
Valle Cnetral
チリワインでもっとも重要な地区。さらに中央平野を横切って海へ至る、マイポ、ラペル、クリコ、マウレの4つのヴァレー(谷)にちなんでそれぞれの4つのサブ地区がある。
マイポ・ヴァレー Valle de Maipo最も温暖な気候。セントラル・ヴァレーで最も小さな地区だが最も古い地区。サンチアゴ
に隣接し、醸造所が集中する。チリのトップクラスのカベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)供給地区。
ラペル・ヴァレー Valle de Rapelマイポ・ヴァレーのすぐ南にあり、土壌が変化に富み、さまざまな品種から将来が期待されている。
クリコ・ヴァレー Valle de Curicoラペル・ヴァレーの南でクリコ、気候は少しばかり温暖。
マウレ・ヴァレー Valle de Maule4つのうち最南端。マイポ・ヴァレーの3倍も雨が降り、かなり火山性土壌で、チリ最大のブドウ栽培地区。
南部地区
Region Sur O Meridional
最も南にあたり、より寒く湿りがちな条件になる。そのことがリースリング、ゲヴュルツトラミネール、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワールといった品種には適している。北がイタタ・ヴァレー、最南端ビオビオ・ヴァレーの2つのサブ地区。

イタタ・ヴァレー Valle de Itata

ビオビオ・ヴァレー Valle de Bio Bio

出典:メルシャン、『地図で見る世界のワイン/ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソン』『ポケットワインブック第5版/ヒュー・ジョンソン』


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