スペインワイン

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スペインワイン

 

 

ワインの本場といえば、まず浮かんでくるのがヨーロッパのフランスワインや白ワインでは甘口のドイツワインやハンガリーのトカイなど。当店がワインを取り扱うようになった’80年代初頭、そうしたワインだけで楽しめるタイプから、日本でも食事とともにテーブルでワインを味わう辛口のワインブームが起こりはじめました。名産地に加えてフランスと並ぶ生産地イタリアや、新興著しいカリフォルニアやオーストラリア、ニュージーランドなどのニューワルドワインが輸入されはじめました。90年後半には品質にして低価格なチリ、アルゼンチンなど南米ワインが加わりました。

ようやくフランス、イタリアと並ぶワインの大生産地スペインワインが注目され始めてきました。南ヨーロッパのイベリア半島にあるスペインは、ブドウ栽培に適した土壌と、東部は地中海性気候、中央部が大陸性気候、北西部が西岸海洋性気候と地域によって恵まれた気候に合ったスペイン固有のぶどう品種が豊富であり、スペイン全土でなんと400種以上の品種が栽培されてるのです。ワイン用ブドウ品種は約20種から造られています。主なブドウ品種には、赤ワイン用ブドウのテンプラニーリョ種やガルナッチャ種、白ワイン用のアルバリーニョ種やアイレン種、スパークリングワインのカバの主原料であるマカベオ種、酒精強化ワインのシェリーの主原料であるパロミノ種などがあります。

スペインは赤ワインの国とされ、現在でも赤ワインが中心ですが、比較的涼しい気候の地域では白ワイン、カバなどのスパークリングワイン、酒精強化ワインのシェリー、数種類の果実を漬け込んだサングリアと、実に様々なタイプのワインが生産されています。

それでは、なぜスペインのワインがあまり注目されてこなかったのかというと、フランコ体制の半鎖国状態による経済発展の遅れも影響し、1970年代頃まで余り注目されませんでしたが、ワイン産業は量から質を重視する方向に大きく転換することになりました。近年ではヨーロッパの旧ワイン生産国の中で、品質向上が著しく、実験的かつ情熱的なワイン醸造を行っており、イタリアワインと比較されることも起きてきました。すでに著名かつ価格的に上昇している西ヨーロッパのフランス、イタリアなどの一大ワイン生産国の中で、スペインワインは、品質:価格においてますます注目され始めています。
21世紀に入り、スペインのワイン産業は黄金期を迎えているといえるでしょう。世界を旅して醸造学を学んだ新しい世代による新しいスペインワインが、次々と誕生しています。スーパー・スパニッシュと呼ばれるワインが次々と誕生し、世界のワイン業界が熱い視線を送っている国がスペインです。

2015年の日本へのワイン(2L以下)輸入量では、1位がフランス(55,167kl)、2位がイタリア(22,718kl)、3位アメリカ(11,133kl)、4位チリ(8,007kl)に次いでスペイン(7,149kl)が第5位。以下、オーストラリア(6,208kl)、ドイツ(5,040kl)となっており、シェリー、ポートワインなど酒精強化ワイン部門では、第1位がポルトガル(394kl)で2位がスペイン(260kl)で三位以下を大きく引き離しています。スパークリングワイン(発泡性ワイン)でも第1位がフランス(9,171kl)、2位がイタリア(4,348kl)、3位がスペイン(3,822kl)となっており、4位がオーストラリア(911kl)と、3位以下を大きく引き離しています。

スペインワイン広報事務局

主なブドウ品種と産地

「スペインワインの基礎知識」ですでに述べた通り、スペインでは国土の全域でブドウ栽培が行われており、赤・白・ロゼのスティルワインをはじめ、発泡性のカバ、クレマン、酒精強化酒のシェリー、マディア、サングリアなど、バラエティー豊かなワインが生産されています。地方としては9つほどに大きく分けられ、その中に約60のD.O.が指定されています。地図を見るとわかるが、国土の大半は台地状となっており、スペインの栽培地のほぼ90%は、フランスの主要生産地より標高が高いのです。
そのため、大半の土地は冬寒く、夏はとても暑いのです。近年のスペインほど大規模な変革を遂げた国はなく、公認原産地の数はとても増えています。
一般に、スペインワインは、売り時よりも飲み頃にポイントを置いて出荷する傾向にあります。

1.北部地方:バスク、ナバーラ、リオハ、アラゴン

その9つに大きく分けられる中でフランス国境に近い北東部に位置します。

Rioja(リオハ)

エブロ川をはさんで南西岸(北東岸はナバーラ)。1991年、スペインで最初に特選原産地呼称(DOC)に認められたワイン産地です。南西にあるデマンダ山脈が中央高地からの苛酷な夏の熱波を遮り、北にそびえ連なるカンタブリカ山脈がビスケー湾から吹き寄せる冷たい北西風から守り、四季を通じて平均して雨に恵まれるため、夏の暑さは厳しくなく、冬も穏やかな気候が特徴です。
リオハのワイン産地はラ・リオハ州、バスク州アラバ県、ナバーラ州の3つの行政地区にまたがり、またぶどう栽培地としては、リオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・バハの3地区に分かれています。
そのうちの約75パーセントを赤ワインが占めています。テンプラニーリョはリオハの栽培面積の59パーセントを占め、一般的には、リオハの赤ワインはこのテンプラニーリョを主体に、ほかの黒ぶどうがブレンドされますが、最近テンプラニーリョのみを用いるなど、単一の品種によるワインも登場してきました。なお、外来種のカベルネ・ソーヴィニヨンは一部の特例を除き、使用を認められていません。
1980年代末に始まったリオハの革新では、フレンチオークの小樽と樽熟成期間の短縮によってぶどう本来の果実味と骨組みを生かしたまま、瓶の中で品質をより洗練させようという生産者が増えてきています。それまではリオハ各地のぶどうをブレンドして生産することが一般的でしたが、最近は畑の地区、または畑そのものを限定する生産者もますます増えています。白ワインもフレッシュでフルーティなスタイルが増えてきました。しかし、一方では昔ながらの製法にこだわってワイン生産を続ける生産者もいて、リオハでは伝統と革新、どちらのスタイルのワインも共存しています。
リオハの赤ワイン、とくに熟成期間の長いレセルバやグラン・レセルバは、買ったときにすでに円熟した味わいをもつ、香り高く非常にエレガントな、飲みごろのものが多いのが特徴です。

Navarra(ナバーラ)

ピレネー山脈からエブロ河沿いの渓谷まで、なだらかに波を打って広がる緑の草原、人影もまばらな大地に位置しています。ナバーラは、ロゼワインの産地から赤ワインの重要な産地へと大きく転身しました。北からバルディサルベ、ティエラ・エステーリャ、バハ・デ・モンターニャ、リベラ・アルタ、リベラ・バハの5地区に分かれています。ナバーラは長いあいだ、隣のリオハの名声の陰に隠れた存在で、<ガルナッチャを主体としたロゼワインの産地と見なされていました。そこで1980年代に、生産者たちは国際市場で認められる赤ワインを造ろうと、外来種を取り入れることを検討し、ナバーラ栽培・醸造研究所(EVENA)を中心に試験栽培・醸造の結果、これらの外来種が原産地呼称の認定品種に認められるようになりました。これまで栽培の主要な品種であったガルナッチャに代わり、テンプラニーリョやカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が増え、また生産量の過半数を赤ワインが占めるようになっています。
固有種、外来種を問わずに、単一の品種表示のワインの販売も大きな成功を収めています。

Somontano(ソモンターノ)

ピレネー山脈のふもとに、ソモンターノ(山麓という意味)があります。平均海抜650メートルのところにあり、冬にはまとまった降雨量があり、夏は暑く、非常に乾燥した土地です。ワイン産地としてはほとんど知られていませんでしたが、1988年に原産地呼称が認められてから活気づき、協同組合を組織替えをしたり州内外から大きな投資と最新技術が導入され、国際市場を強く意識した新しいスタイルのワインの開発が活発に進められてきました。このため、原産地呼称ワインに認められているぶどう品種も固有種に加え外来種が認められています。そのため、ソモンターノはスペインのなかの「ニューワールド」と呼ばれ、海外からも称賛されています。

北部地方のその他の産地

(アラゴン州)

リオハに隣接する南。一足早く、国際市場に躍り出たソモンターノの影響を受け、同じアラゴン州の他のワイン産地でも業界再編成が始まりました。

Campo de Borja(カンポ・デ・ボルハ)

カンポ・デ・ボルハはDOナバーラと接し、魅力的なロゼとガルナッチャを中心とした赤ワインの産地です。

Cariñena(カリニェナ)

1930年代に早くも原産地呼称を獲得したカリニェナは当時リオハやヘレスと並ぶスペインの銘醸地域でした。その後は内戦が続き畑が荒れ果てカリニェナは長いあいだワイン産業の発展から取り残されていました。1990年代に入ると、ワイン産業復活が急激に始まり、品質向上、生産量・輸出量の増加と過去の栄光を取り戻しつつあります。

Calatayud(カラタユド)

ぶどう栽培の限界ともいえる海抜900メートルに達する場所にあります。地元原産のガルナッチャをベースにした若飲みワインの他、テンプラニーリョを加えた熟成タイプの赤ワインが造られるようになってきました。樹齢の古いガルナッチャが豊富にありコスト・パフォーマンスに優れたワインが造られるのもこの生産地の特徴です。

(バスク地方)

バスク地方はフランス国境とビスケー湾に面する小さなワイン生産地です。非常に雨が多い地域なので、日本と同じ棚つくりでぶどうは栽培されます。バスク地方ではりんごから造られるシードラ(シードル)も有名です。

Chacolí de Bizkaia(チャコリ・デ・ビスカヤ)

オンダリビ・ズリ100%から造られる酸のしっかりしたフレッシュな白、そして少量の赤が造られています。

Chacolí de Getaria(チャコリ・デ・ゲタリア)

畑が海に面して北向き斜面に作られており、栽培量の85%を占めるオンダリビ・ズリからフレッシュな白ワインとオンダリビ・ベルツァから赤が造られています。これらのワインは微発泡ワインで、新鮮な魚介類の多い地方料理に良く合います。
Arabako Txakolina-Txakolí de Álava(アラバコ・チャコリナ?チャコリ・デ・アラバ)

スペイン北部最大の都市ビルバオの南に位置する地区。

※以下、Vino de Pago(単一ぶどう畑限定高級ワイン)

Arínzano(アリンサノ) ナバーラ県アベリンにある127.95 ヘクタールの認定された畑。白品種: シャルドネ、黒品種: テンプラニーリョ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン http://arinzano.com/
Prado de Irache(プラド・デ・イラチェ) ナバーラ県アジェギにある16.58 ヘクタールの認定された畑。黒品種: テンプラニーリョ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、マスエロ、グラシアノ、ガルナッチャ。http://www.irache.com/
Otazu(オタス) ナバーラ県にある92,40ヘクタールの認定された畑。白品種:シャルドネ
黒品種:テンプラニーリョ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン。 http://www.otazu.com/

2.地中海地方:カタルーニャ、バレンシア、ムルシア

カタルーニャは、東の州都バルセロナからやや内陸のモンサンに連なるワイン産地。カタルーニャ人は、他のスペイン人より勤勉さを誇り、フランスのルーションと国境をはさみ、スペインでギリシャ人が最初に入植したブドウ栽培とワインをもたらした。スペインのどの地域より多様なワインを生み、土地ごとに異なったタイプを生みます。またシャンパンを意識したスペインのカバはの95%はカタルーニャ産で、とくにペネデスのワイン中心地サン・サドールニ・ダイノヤとその周辺が生産地です。生産量ではコドルニューとフレシネの2社が突出しています。

(カタルーニャ州)

Penedés(ペネデス)

バルセロナの南約40キロメートルにあるビラフランカ・デル・ペネデスを中心に広がる産地で、ローマ人の足跡が色濃く残り、古くからぶどう栽培とワイン造りが行われてきました。カバの中心的な産地として有名あったペネデスで、スティルワインの産地として生産が本格的になったのは1970年代に入ってからです。ワインではトーレス社がカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネをいち早く導入しスペインワインの品質向上に貢献しました。

シャルドネピノ・ノワールチャレッ、テンプラニーリョの栽培が中心となっています。造られるワインは赤、白、ロゼとヴァラエティ豊かで、単一の品種から造られたり、あるいはブレンドされる場合もあります。ロゼと白ワインは若飲みタイプとして売られることが多く、赤ワインはオークの小樽で熟成されるのが一般的です。ペネデスのシャルドネは上質なうえに、値段が手ごろなため好評です。また、テンプラニーリョカベルネ・ソーヴィニヨンの組み合わせによるブレンドは国際的な品質を誇っています。

Priorato(プリオラート)

プリオラートの名前は昔からカルトゥジオ修道院が造るワインで有名でした。しかし、苛酷な土地から若者が次々に去り、アルコール度の高い安価なバルクワインとしての需要も減り、プリオラートのワイン生産はしばらく衰退の一途をたどりました。この地域も過疎化が進む一方でした。
しかし1980年代後半に急展開が起こりました。外部から新しいワイン造りに情熱を傾ける人々が集まり、従来からある老齢のガルナチャ、カリニェナとともにカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロやシラーをブレンド、以前のワインとはイメージを異にする濃厚かつ洗練された新しいスタイルの高品質なワインが造られるようになったのです。これらのワインは世界を驚かし、改革を進めた「4人組」は一躍スター醸造家となりました。彼らのあとを追い、よその地区からも大小の生産者が進出し、新たなボデガが次々に興されています。

地中海地方その他の産地

Montsant(モンサン)
Tarragona(タラゴナ)
Terra Alta(テラ・アルタ)
Conca de Barberá(コンカ・デ・バルベラ)
Costeres del Segre(コステレス・デル・セグレ)
Pla de Bages(プラ・デ・バジェス)
Alella(アレーリャ)
Empordá(エンポルダ)

カタルーニャ州には小さくて魅力的な原産地呼称が集まっています。地中海沿岸では、タラゴナの北部にありしっかりとした骨組みと濃厚な果実味の赤ワインで注目されるモンサンが新しいDOとして独立、2002年に中央政府の認定を受けました。内陸部の山中の産地で、無名ながらも将来の期待されるテラ・アルタではランシオワインから軽いフレッシュなタイプのワインが造られるようになり、コンカ・デ・バルベラではパレリャーダ100%から香りの良い辛口の白ワインやガルナチャとウル・デ・リェブレから造られるクリアンサが注目され始めています。運河と大規模な土地開発によって誕生したコステルス・デル・セグレでは早くから外来種を積極的に登用しています。その他、カタルーニャの聖地モンセラット山のふもとでチャーミングなワインを産出するプラ・デ・バジェス、またバルセロナの北の地中海沿岸には、爽やかな白ワインを産するアレーリャとエンポルダがあります。いずれの産地もこの地方の固有種とともに外来種を栽培し、それぞれの長所をうまく組み合わせた新しいスタイルのワインを造り出すようになってきています。また、カタルーニャ地方に点在する原産地呼称以外の産地をカバーするために、2001年にDOカタルーニャがスペイン中央政府から公式に認められ新たに誕生しました。

Cataluña(カタルーニャ)

カタルーニャ州内の現存する9つのDO以外の地域をカバーする大きな範囲のDO。各地区のワインをブレンドできる。
トーレスのような規模の大きな生産者にとってペネデスDOでは制約が多すぎるので、トーレス者主導で生まれたDO。

(ムルシア州)

Jumilla(フミーリャ)

ムルシア州の北部にあるフミーリャは、夏は40度に達するほど暑く、冬はしばしば氷点下になるほど寒さが厳しい大陸性気候の土地で、年間3,000時間もの日照に恵まれますが、降雨量はわずか300ミリと乾燥しています。この苛酷な自然環境のもと、アルコール度数の高いワインが造られ、伝統的にほかの地域のワインを力強くするためのブレンド用(バルクワイン)として売られたり、あるいは低価格の日常消費用のワインの産地と評されていました。しかし、1980年代末になって、ほかの地域から100年あまり遅れてこの地域にフィロキセラ禍が発生し、ぶどう畑の多くが改植を余儀なくされたことがきっかけで、ワインの品質向上のためにぶどう栽培の改善が始まりました。
ほとんどが地元原産のモナストレル(フランスではムールベードルと言われる)で、これに加えカベルネ・ソーヴィニヨンが認定され、メルロとシラーも試験的に一部のワインに用いられています。赤とロゼのワインにはモナストレルを最低50パーセント使用しなければなりません。

Yecla(イエクラ)

フミーリャに隣接し、スペインで唯一、ひとつの町(イエクラ)からなる原産地呼称です。フミーリャ同様、大陸性気候で、やはりモナストレルを中心にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロを用いて、良質な熟成タイプの赤ワインが造られるようになり、隣接する周囲の大産地の陰から抜け出しつつあります。

(バレンシア州)

Valencia(バレンシア)

地中海沿岸のリゾート地、バレンシア州の注目されるワイン産地です。果樹栽培の盛んなバレンシアは約17,000ヘクタールのワイン産地が広がっています。メルセゲラとマルバシアから辛口の白ワイン、モスカテルからはとても軽やかで新鮮な味わいの甘口ワインが造られています。赤ワインの主要な品種はモナストレルとガルナチャで、軽やかさのあるものからミディアムボディの若飲みタイプと、カベルネ・ソーヴィニヨンとテンプラニーリョから造られる熟成タイプのものがあります。

Utiel-Requena(ウティエル・レケーナ)

バレンシアの西、内陸に入った海抜700メートルの台地上を中心に約40,000ヘクタールものウティエル・レケーナのワイン産地が広がっていますが、長年バレンシアなどの陰に隠れていました。この地域でのみ栽培されてきたボバルが全体の75パーセントを占め、この品種とともにガルナチャをブレンドして造られるロゼワインや赤ワインがありますが、ボバルに代わってテンプラニーリョの栽培が奨励されるようになりました。

Alicante(アリカンテ)

バレンシア州の最南端にあり、地中海に面した高台にある地区と、ムルシア県と接している内陸部と二つに分かれています。地域で造られるワインの大半はリゾート客たちによって地元で消費され、また地域伝統のフォンディヨンと呼ぶ酒精強化タイプのワインもありましたが、ワイン産地としては特に知られていませんでした。
ところが1990年代に醸造設備や技術投資が行われ、内陸部では地元品種のモナストレルなどのほか、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなどの外来種を用いて造る新しいスタイルの高品質ワインが次々に登場しました。また高台の地区では、洗練された味わいのモスカテルの甘口デザートワインが登場し、海外へも輸出されるようになってきました。

(その他の産地)

Bullas(ブーリャス)

気候、地勢とも隣接したフミーリャに近い。同様、高樹齢のモナストレルを中心とした高級ワインつくりにようやく着手し始めた。今後の活躍が期待できる地域。

3.内陸部地方:カスティーリャ=ラ・マンチャ、カスティーヤ=レオン、エストゥレマドゥーラ

Ribera del Duero(リベラ・デル・ドゥエロ)

1982年にDO(原産地呼称)に認定されたティント・フィノを主体とした高品質な赤ワインの産地。ソリア、ブルゴス、セゴビア、バリャドリッドの各県にまたがリ、ドゥエロ河に沿った東西約120キロのあいだに広がる産地です。地形は河の両側に高い丘が平行して連なる渓谷で、ぶどう畑は河に近い平地から丘陵の斜面に位置しています。年間の平均日照時間が2,200時間あり、またぶどう生育期間中の暑く乾いた天気のおかげでぶどうは病害に遭うこともなく、完熟した素晴らしい品質となって収穫されます。中央台地北部につながるこの地域では、ぶどう畑は平均海抜700?850メートルとヨーロッパのなかでも高地にあり、日中の強い日照を受けて成熟していくぶどうは、夜の涼しさで凝縮度を増していきます。濃厚な色合い、深みのあるアロマ、しっかりとした骨組み、豊かな果実味とそれを滑らかに感じさせてくれる酸味など、複雑で凝縮されたリベラ・デル・ドゥエロの赤ワインのスタイルを生み出すもととなります。
その85パーセントが赤ワインとロゼワインの主要なぶどう品種となるティント・フィノまたはティント・デル・パイスと呼ばれる、テンプラニーリョと同種のものです。赤ワインにはこの品種を最低75パーセント使用することが義務付けられており、他にはガルナッチャ・ティンタや前世紀にフランスのボルドーからもたらされたカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、マルベックの黒ぶどう品種や、スペイン固有の白ぶどう品種アルビーリョを補助品種として用いることが許されています。ティント・フィノ100パーセントで造るか、あるいは補助品種をブレンドするかは生産者の選択によりますが、ティント・フィノの無限かつ多様な可能性にリベラ・デル・ドゥエロの偉大な将来を託そうと、この品種単一で赤ワイン造りをするところが増えています。なお、この地区では白ワインも造られていますが、リベラ・デル・ドゥエロの原産地呼称は認められていません。

Rueda(ルエダ)

ベルデホから造られるルエダの辛口白ワイン。しかし2002年8月の改正で赤ワインとロゼワインもルエダの名称を名乗ることが出来るようになりました。最も多く栽培されているぶどう品種はベルデホです。

Toro(トロ)

熱い注目を集めるトロの赤ワイン。ドゥエロ河流域のなかで最も西側に位置するトロは1987年に赤、白、ロゼが原産地呼称に認定されました。
リベラ・デル・ドゥエロに比べると海抜が下がるため、夏の気温はさらに高くなり、ぶどうの成熟が早く進みます。全体の58%を占めるテンプラニーリョと同種の黒ぶどうはトロで栽培されるうちに。独自の個性を持つようになりティンタ・デ・トロと呼ばれます。ティンタ・デ・トロを最低75パーセント使用することが義務付けられている赤ワインは濃厚な色、凝縮された果実味ですが、1990年代後半に、リベラ・デル・ドゥエロの著名な生産者などが投資をするようになり、濃縮さはそのままに、しかし洗練された品質の赤ワインが造られるようになり、あっと言う間に熱い注目を集めて、有望視されるようになりました。

La Mancha(ラ・マンチャ)

スペインの中央に広大なラ・マンチャとバルデペーニャスのDOがあります。果てしなくどこまでも平らに広がるメセタ上の大平原にあるラ・マンチャは、スペインの原産地呼称のなかでも最大の栽培面積(約18万ヘクタール)と生産量を誇るワイン産地です。極端な大陸性気候にあるこの土地で最も多く栽培されてきたぶどう品種が、世界最大の栽培面積をもつ白ぶどうのアイレンです。近年、最新の醸造技術を駆使して、あるいはマカベオ(ビウラ)とブレンドすることによって、新鮮ですっきりとした風味の新しいタイプの白ワインが造られるようになってきました。

Valdepeñas(バルデベーニャス)

広大なラ・マンチャ平原の南側にいくつかの山脈に囲まれた大きな渓谷があり、この地形から「石の谷」を意味する名前で呼ばれるバルデペーニャスがあります。この土地のワイン造りは長い歴史をもち、19世紀から20世紀にかけて首都マドリッドでとくに愛飲されていました。

Bierzo(ビエルソ)

ビエルソは行政的にはカスティーリャ・イ・レオン州に属していますが、景色や気候はガリシアに近く、緑豊かな山間部地域です。DOバルデオラスと接していて、造られるワインも共通点が多く、白品種のゴデーリョや黒品種のメンシアから造られる高級ワインの生産が活発化してきました。特に2000年以降、若手の醸造家がこの地域でメンシアを使用した高級ワインを競って生産するようになり、プリオラート、トロと並んで注目の新興地域として世界中の熱い視線を浴びるようになりました。

Cigales(シガレス)

緩やかな丘陵地に小麦畑とぶどう畑が果てしなく広がるカスティーリャ・レオンの典型的な風景地帯にあります。柔らかい岩をくりぬいた醸造所があちこちにあり、これまではロゼの産地として知られていました。テンプラニーリョを60%以上使用することが義務付けられているロゼはシガレスのワイン生産量の75%を占めていますが、近年はオーク樽で熟成させた赤の生産量が徐々に増えています。

Dominio de Valdepusa(ドミニオ・デ・バルデプーサ)
Ribera del Jucar(リベラ・デル・フーカル)
Manchuela マンチュエラ
Uclés ウクレス
Arlanza(アルランサ)
Tierra del Vino de Zamora(ティエラ・デル・ビーノ・デ・サモラ)
Tierra de Leon(ティエラ・デ・レオン)
Arribes(アリベス)

4.内陸部地方その他の産地

首都マドリッドの近郊の標高が高く、乾燥して、寒暖の差が激しい産地にVinos de Madrid(ビノス・デ・マドリッド)、Méntrida(メントリダ)、Mondéjar(モンデハール)
があります。

Vinos de Madrid (ビノス・デ・マドリッド)

ガルナッチャティント・フィノを主体にした赤ワインとアルバルアイレンから軽くフレッシュな白ワインが造られており、最近はクリアンサ、レセルバタイプも作られるようになりました。

Méntrida (メントリダ)

ビノス・デ・マドリッドの直ぐ近く。赤のみが造られ、品種ではガルナッチャが多くティント・デ・マドリッド(テンプラニーリョ)が続きます。1991年新規定が導入されてからはクリアンサなど樽熟ワインが増えてきました。

Mondéjar (モンデハール)

雨量の少ない地中海性気候で、赤はセンシベルカベルネ・ソーヴィニョンから色の濃い、渋みの強いワインが造られており、センシベル100%から造られる品種表示のワインもあります。

Almansa (アルマンサ)

ラ・マンチャ地方ではもっとも地中海より。豊富な黒ぶどう(センシベルモナストレルガルナッチャ)を原料として樽熟による良質の赤ワインが造られるようになりました。

Ribera del Guadiana (リベラ・デル・グアディアーナ)

スペインの南西部、エクストレマドゥラ地方。1998年にDOに認定されました。夏は酷暑、冬は厳冬で雨量の少ない産地で、白はカエタナパルディーナビウラシャルドネ、赤はガルナッチャテンプラニーリョボバルカベルネ・ソーヴィニョングラシアーノなど多岐にわたる品種が使われています。ラ・マンチャ同様ぶどうの栽培面積が非常に大きく「ワインの海」と呼ばれています。協同組合主体のワインつくりですが、最近は個人企業のボデガが増えてきて、品質向上にむけての大きな努力がされています。

※以下、Vino de Pago

Finca Elez / Pago Guijoso(フィンカ・エレス&パゴ・ギホソ)
Dehesa del Carrizal(デエサ・デル・カリサル)
Campo de La Guardia(カンポ・デ・ラ・グアルディア)
Florentino(フロレンティーノ)
※以下、Vino de Calidad
Valles de Benavente(バリュス・デ・ベナベンテ)
Valtiendas(バルティエンダス)

5.大西洋地方:ガリシア、アストゥリアス、カンタブリア

Rias Baixas(リアス・バイシャス)

スペイン北西部にあるガリシア州は大西洋の影響を受け、雨の恵みによって緑濃い自然をもつ土地です。湾に深く切り込んだリアス式の海岸線、緑に彩られた険しい山岳と渓谷の内陸部は、スペインのほかの地方とは異なる景観をもちます。リアスとはこの海岸線のこと、バイシャスとは下部という意味です。1980年代に入って、農家を組合員とした協同組合が発足、彼らを中心にリアス・バイシャスのワインの革新が始まり、1988年には原産地呼称(DO)を獲得しました。

約90パーセントをアルバリーニョが占めています。この品種からは、清楚で上品な香り、生き生きとした果実味と心地よい酸味をもった白ワインが造られます。近代的な発想のもと、ぶどうの徹底した品質管理、最新式の醸造機器と技術を導入して、フレッシュでフルーティなスタイルのワイン造り、高級ワインとして販売するためのマーケティングなどが地域ぐるみで進められ、「スペインで最も上質な白ワインの産地」という名声を確立しました。

Ribeiro (リベイロ)

中世からルネッサンスに時代に栄えたところで、リアス・バイシャスの内陸にあり、白はヘレス(パロミノ)、トレイシャドゥラと赤はカイニョが多く栽培されていました。他の地域との差別化の中で、トレイシャドゥラを中心とした白ワイン、カイーニョを中心とした赤ワインで高級化を進めています。また、アルコールが8?9%とやや低めのエンベラートと呼ばれるワインがあります。

Valdeorras(バルデオラス)

ガリシア州東部、カスティーリャ・イ・レオン州と接している。伝統的なガルナチャやパロミノが栽培されていますが、90年代後半以降、ゴデーリョを使用したワインが高く評価され、短期間にスペイン有数の高級白ワイン産地に躍り出ました。またメンシア種から赤ワインも作られています。

Ribeira Sacra(リベイラ・サクラ)

ガリシア州内陸部のシル河沿いにある。大西洋の気候の影響を受けている優れた生産地で、フレッシュで酸のしっかりとしたアルバリーニョの白やメンシアを原料にしたフルーティな赤ワインが造られています。

Monterrei(モンテレイ)

ガリシアの東南部の内陸にある。ドゥエロ川やミーニョ川に合流するタメガ川の沖積地にあり、トレイシャドゥラ、ゴデーリョ、ドーニャ・ブランカなどから造られる主に白ワインの生産地ですが、 90年代後半からはメンシアを使用した赤ワインも生産されるようになりました。

※Vino de Calidad
Cangas(カンガス)

ビーノ・デ・カリダ・デ・カンガス(Vino de Calidad de Cangas)。2008年にこの名称を名乗ることが出来るようになりました。

南部地方:アンダルシア

Jerez-Xérès-Sherry y Manzanilla-Sanlúcar de Barrameda
(ヘレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャ・サンルカール・デ・バラメーダ)
酒精強化ワインで、正式のDO名は長く、一般にはヘレスまたはシェリーと呼ばれています。ヘレスの呼称を名乗れるのは、アンダルシア地方南部にあるヘレス、プエルト・デ・サンタ・マリアとサンルカール・デ・バラメーダの町を結ぶ三角形の地帯で造られているものだけです。
原料となるぶどう品種の95パーセントがパロミノで、少量のペドロ・ヒメネスが生産されています。シェリーは独特な熟成方法で醸造されます。まず、発酵が終わるとワインの品質によって、アルコール度が15.5度で非常にフレッシュな辛口のフィノと、アルコール度が18度になるまで酒精強化され甘口のデザートワインであるオロロソのふたつのタイプに選別されます。他にはフィノよりも熟成味をもったもので、ナッツのような風味があるアモンティリャード 、フィノと同タイプのものですが、海に近く涼しいため、よりキリッとした塩味を思わせる軽快な酸味をもつ辛口のマンサニーリャもあります。

Montilla-Moriles(モンティーリャ・モリレス)
アンダルシア州のグラナダ、セビリア、コルドバの3つの町を結ぶ地帯の中央にあります。アルバリサや砂質の土壌にペドロ・ヒメネスが栽培され、全体の90パーセントを占めています。大陸性の乾燥した暑い夏の気候のもとで育ったペドロ・ヒメネスが非常に高い糖度で摘まれ、酒精強化をせずとも充分に高いアルコール度をもつワインとなるため一般的にはアルコールの添加をしません。
若くフレッシュなタイプのワインとフィノ用に選別されます。さらに圧搾し、二番搾りの果汁がオロロソ用となります。
南部地方その他の産地
Condado de Huelva(コンダード・デ・ウェルバ)
且つては酒精強化ワインの大産地でした。1980年ごろからサレマから収穫時期を早め、低温発酵によって造られるフレッシュな白ワインへと変化しています。

Malaga(マラガ)
主にモスカテルを使用し収穫したぶどうを天日干し、発酵時にアルコール度18%に酒精強化したマラガ・スィートやソレラシステムで熟成させたマラガ・スィート・ラグリマ、他、セコ、アボカド、セミスィートなど7つの異なるスタイルのワインが造られています。

Sierras deMalaga(シエラ・デ・マラガ)
2001年11月にできた新しいDO。従来のDOマラガより山岳部を含み、スティルワインの醸造が認可されました。原産地呼称委員会はマラガと共通です。
※Vino de Calidad
Granada(グラナダ)
ビーノ・デ・カリダ・デ・グラナダが正式名称。2009年に誕生したアンダルシア州グラナダ県内で指定された地域のワイン。

6.バレアレス諸島とカナリア諸島

Binissalem(ビニサレム)
Pla i Llevant(プラ・イ・リェバン)
Ycoden-Daute-Isora(イコデン・ダウテ・イソーラ)
Valle de la Orotava(バジェ・デ・ラ・オロタバ)
Tacoronte-Acentejo(タコロンテ・アセンテホ)
Valle de Güimar(バジェ・デ・グイマール)
Abona(アボナ)
La Palma(ラ・パルマ)
El Hierro(エル・イエロ)
Lanzarote(ランサローテ)

  • La Gomera(ラ・ゴメラ)
  • Gran Canaria(グラン・カナリア)

ワインの格付け(原産地呼称制度)

ワインの格付けといっても、難しいものではありません。ワインの内容を知る一つの目安として、ちょっと覚えているといっそう味わいも深くなります。

スペイン産ワインの原産地呼称制度はデノミナシオン・デ・オリヘン(DO)と呼ばれ、フランスにおける同質の制度であるアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC)を模して1932年に制定されました。

1970年代にE.U加盟後、ワイン法が制定されました。次の4つの品質等級があり、ラベルで判断できるようになっていました。

  1. D.O.C.ワイン (Denominacione di Origen Calificada 特定原産地呼称ワイン)
  2. D.Oワイン Denominacion de Origen (デノミナシオン デ オリヘン 原産地呼称ワイン)
  3. V.Tワイン Vino de la Tierra(ビノ デ ラ ティエラ) (フランスワインのヴァン・ド・ペイ)
  4. ピノ デ メサ Vino de Mesa (フランスワインのヴァン・ド・ターブル)

2002年、EC規則(2009年EUワイン法改正)に従い、スペイン産ワインの原産地呼称制度は保護原産地呼称 (DOP:Denominación de Origen Protegida)と保護地理的表示 (IGP:Indicación Geográfica Protegida)?により、ワインの熟成期間と表示の統一で、以下のように2つに大きく分けられます。

  1. DOP(デノミナシオン・デ・オリヘン・プロテジーダ=Denominación de Origen Protegida) 保護原産地地呼称ワイン(クオリティワイン)

  2. IGP(インディカシオン・ヘオグラフィカ・プロテジーダ=Indicación Geográfica Protegida) 保護地域的表示ワイン(テーブルワイン)

さらに生産時に適用される基準の厳格さに応じて7つのサブカテゴリーに分けられました。

 

1.保護原産地地呼称ワイン(デノミナシオン・デ・オリヘン・プロテジーダ) DOP(Denominación de Origen Protegida)

非常に厳しい生産基準を設けている地域で産出されたワインで、最高の品質を誇るもの。DOPは、フランスワインのAOC(AOPと統一されたがAOCも混在している)、イタリアのDOC((DOPと統一されたがDOCも混在している)に当たります。

保護原産地呼称(DOP)には、さらにサブカテゴリーとして、VP(ビノ・デ・パゴ)、DOCa(デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ)、DO(デノミナシオン・デ・オリヘン)、VCIG(ビノ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ)が含まれる。

ビノ・デ・パゴ Vino de Pago、VP 単一ぶどう畑限定高級ワイン

2003年のワイン法改正で国内法に採用された単一ぶどう畑限定高級ワイン。ある特定の村落で、他とは際立った違いのあるテロワールを持つ畑から生産される個性的な高品質ワイン。ブドウ畑はDO、DOCに認定されていない地域に属していてもよく、もしそれがリオハのようなDOC地域の産であればVino de Pago Calificadoと表示される。ビノ・デ・パゴの認定は、コンセホ・レグラドールではなく、所属する州政府と自治体が執り行うが、品質コントロールについては、DOCの規制に準じなくてはならない。

畑限定原産地呼称はカスティーリャ=ラ・マンチャ州の生産者による要望がきっかけで誕生し、当初は4件すべてが同州に存在したが、2009年から2010年にかけて5件増加し、特にナバーラ州から3件が指定された。畑限定原産地呼称ワイン(VP)には、さらに特選畑限定原産地呼称(VPCa:ビノ・デ・パゴ・カリフィカード)がある。

デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ Denominación de Origen Calificada、DOC 特選原産地呼称ワイン

DO産ワインの中から、厳しい基準で昇格が認められた高品質ワイン。

DOCまたはDOCaと略される。原産地呼称(DO)の中でも特に優れた地域に認定される区分。1991年に認定されたリオハ (DOCa)と2009年に認定されたプリオラート (DOQ)の2地域のみ。イタリアのDOCGにあたる。

デノミナシオン・デ・オリヘン Denominación de Origen、DO 原産地呼称ワイン

高級スペイン産ワインの主流区分。2009年時点では約66の地域が原産地呼称の認定を受けている。フランスのAOC、イタリアのDOCにあたる。

1988年に制定されたカテゴリーで、1991年4月にまずリオハが認められた。2009年7月にプリオラートが中央政府に承認された。

原産地呼称統制委員会(コンセホ・レグラドール)が設置された地域において、地域内で栽培された認可品種を原料とし、厳しい基準に基づき生産されたワイン。現在、60以上あり、スペインの高級ワインの中核的なカテゴリーといっていい。ラベルには、Denominación de Origenと表示をする。

ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ Vino de Calidad con Indicación Geográfica、VCIG 地域名称付き高級ワイン

2003年のワイン法で新しくできたカテゴリー。ある特定の地域、地区、村落などで収穫されたブドウを原料とし、醸造、熟成されたワインで、その地域性を表現したもの。現在のビノ・デ・ラ・ティエラの多くが、将来このカテゴリーに昇格する予定である。なお、このカテゴリーで5年以上実績を積んだ生産地は、DOワインへの昇格を申請する事ができる。ビノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ。保護原産地呼称の土台にある区分で、フランスの旧VDQS(廃止)にあたる。2009年時点では2地域が地域名称付きの認定を受けている。

2.保護地域的表示ワイン(インディカシオン・ヘオグラフィカ・プロテジーダ) IGP(Indicación Geográfica Protegida)

ビノ・デ・ラ・ティエラ Vino de la Tierra、VdT

地方ワイン(地酒)。フランスのヴァン・ド・ペイにあたります。地域名を名乗ったヴァン・ド・ターブルと考えればいい。ラベル表記は、Vino de la Tierra de の後に町や郡や地方の名が付く。ビニェードス・デ・エスパーニャを含む。

ビニェードス・デ・エスパーニャ Viñedos de España:VdE

2006年に、安価な輸入ワインと区別するためにビノ・デ・ラ・ティエラに加えて造られた新しいカテゴリー。一般のガラス容器だけでなく、バック・イン・ボックスのワインにも使用できる。異なる11地域のワインをブレンドすることが許されている。一部の銘醸地域では使用が禁止されている。この区分はEU法による承認を受けておらず、ラ・リオハ州政府とカスティーリャ・イ・レオン州政府が法的に問題としている。

ビノ・デ・メサ  Vino de Mesa

並級酒、フランスのヴァン・ド・ターブルにあたる。格付けされていない畑で生産されたワインや、異なる地方のワインをブレンドして造ったワイン。最下位に相当するこの区分のスペイン産ワインの生産量は年々減少している。

保護原産地地呼称ワインの熟成期間表記

スティルワイン

表 記 熟成期間(そのうち330l以下の樽熟成期間) 全熟成期間
グラン・レゼルバ
Gran Reserva
(赤ワイン、樽熟成は12ヶ月以上、白・ロゼ、最低6ヶ月以上熟成でなければならない。) 赤ワインは60ヶ月以上。白・ロゼは48ヶ月以上。
レゼルバ

Reserva

(赤ワイン、樽熟成は18ヶ月以上、白・ロゼ、最低6ヶ月以上熟成でなければならない。) 赤ワインは36ヶ月以上。白・ロゼは24ヶ月以上。
クリアンサ
Crianza
(赤ワイン、樽熟成は6ヶ月以上、白・ロゼ、最低6ヶ月以上熟成でなければならない。) 赤ワインは24ヶ月以上。白・ロゼは18ヶ月以上。
ビエホ
Viejo
36ヶ月以上。
アネホ
Anejo
600l以下のオーク樽で最低24ヶ月、またはボトルの中で熟成したワイン。
ノーブレ

Noble

?600l以下のオーク樽で最低18ヶ月、またはボトルの中で熟成したワイン。

DO CAVA(カバ)

表記 全熟成期間
グラン・レセルバ ?Gran Reserva びん詰からオリ抜きまでの30ヶ月以上
レセルバ?Reserva ? びん詰からオリ抜きまでの15ヶ月以上

(かえって複雑になった感じがしますが、ワイン生産国で最も革新が進んでいるスペイン。いずれ改善されるかも知れません。)

 

スペインワインはこちらから

出典:
在日スペイン大使館HP
『地図で見る世界のワイン/ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソン』『ポケットワインブック第5版/ヒュー・ジョンソン』

参考:日本関税協会、在日スペイン大使館経済商務部

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