登記所結婚 Irreguler Marriage

1920(大正9)年春、スコットランドのグレート・ハミルトン街カールトン地区登記所に、ふたりの立会人のみを伴って、1組の男女が結婚のために現れました。

戸主の了承を得られず、教会結婚(レギュラー・マリッジ)の道を閉ざされたふたりは、登記所結婚(イレギュラー・マリッジ)による出発を選びました。登記所結婚では、登記官による意志の確認、立会人の宣誓、そしてふたりの署名によって結婚は成立します。

青年は“マサタカ・タケツル”と署名し、彼に寄り添ったその女性は“ジェシー・ロベールタ・カウン”と署名しました。教会結婚ではないため牧師名の欄はなく、最後に、登記官が署名し結婚が成立したことを証明書に記されます。ジェームス・ムーア。再び会うこともないであろう登記官の名を、ふたりははっきりと記憶にとどめました。

竹鶴政孝、26歳。リタという愛称で呼ばれたジェシー・ロベルタ・カウン、24歳。
わずか半年前、スコットランドでウイスキーづくりを学んでいる竹鶴と出会うまでは、リタにとって遠く東洋から来た青年と結婚することになろうとは想像もしなかったことでしょう。もちろん、彼とともに日本に移り住み、以降40年の生涯をともにという人生のドラマに関しても…。

知る・楽しむ

コメントを残す