日本酒の種類と違いを知ろう

現在では日本酒よりビールやワイン、洋酒か焼酎などを飲まれる機会が多いという方も多いと思います。そもそもお酒は大きく2つに分けられます。原料を発酵される「醸造酒」と近代になってそれを蒸留してアルコール分を高めた「蒸留酒」です。英語ではWine & Spirits(ワイン&スピリッツ)と区別されます。

日本語でお酒といえば日本酒のことをさすので、日本酒などとあえて呼んでいませんでしたが、にごり酒などと区別するためにもろみを濾過した透明な酒は清酒とも呼ばれます。最近は清酒より日本酒と呼ばれることが多くなりました。

日本酒のラベルには「大吟醸」「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」などと書いた日本酒があります。その違いって、わかりますか? 日本酒ってたくさん種類があって、選ぶのに悩んでしまいますよね。それぞれの違いを知って、より日本酒を楽しむために、日本酒の種類と違いを分かりやすく簡単にご紹介します。

2つの分け方で簡単に覚えよう


まず1つは「純米」という言葉が入っているものとそうではないものに大きく分けられます。入っていないものは「醸造アルコール」が加えられます。これには「普通酒」、「本醸酒」、「吟醸酒」、「大吟醸」があります。「本醸造」は原料米が3等米以上で、精米歩合が70%以下、アルコール添加量が決められています。「本醸造」よりもお米を磨いて仕込んだものが「吟醸」、その上が「大吟醸」となります。逆に醸造アルコールを入れてない日本酒は「純米酒」と区別されます。

原料の違いで種類がわかれる


原料であるお米は、お酒造りに使用するお米は通常の食用米と違い、一般的に酒米と言います。日本酒を醸造する際、主に麹米として使うのが酒米であり、それに適するお米を「酒造好適米」と言います。ワインが食用の葡萄ではなく、ワイン用の葡萄と分けて生産されるのとよく似ています。

酒米は通常の食用米と比べて、一般的に粒が大きいのが特徴です。大粒で、中心部の「心白」という白い部分が大きく、たんぱく質含有量が低く、粘りよい品種になります。これが日本酒の特徴を生み出します。米の栄養分は表面部分に多いのですが醸造にはむしろ不要なため、日本酒造りで大粒が好まれる理由としては、精米の時に表面を大きく削る必要がある為、粒の小さな米だとすぐに砕けてしまうからです。

特定名称酒の種類


日本酒は以前、特級、一級、二級、といったように級別で分類していましたが、今は級別制度は廃止され、精米歩合 、麹歩合、アルコール添加量などの製法により、区分されています。その中でも特定名称酒は、酒税法において、原料、製造方法等の違いによって下記の8種類に分類されます。「普通酒(一般酒)」とは区別して「特定名称」を表示をすることができます。

特定名称酒 使用原料 精米歩合 品質上の条件


 純米大吟醸酒 米・米こうじ 50%以下 固有の香味があり、色沢が良好であること
 純米吟醸酒 60%以下 固有の香味があり、色沢が良好であること
 特別純米酒 60%以下で特別な製造方法 色沢が良好であること
 純米酒 - (精白米であれば可) 色沢が良好であること



 大吟醸酒米・米こうじ
醸造アルコール
(使用白米総重量の10%以内)
 50%以下 固有の香味があり、色沢が良好であること
 吟醸酒 60%以下 固有の香味があり、色沢が良好であること
 特別本醸造酒 60%以下で特別な製造方法 色沢が良好であること
 本醸造酒 70%以下 色沢が良好であること
普通酒 使用原料 精米歩合 品質上の条件


普通酒米・米こうじ
醸造アルコール(1トンにつき280L以内)
- (精白米であれば可)規定なし
10 増醸酒 糖類・酸味料との合計が白米の50%を超えない範囲
11混和酒 「アル添酒」と「増醸酒」の混和酒
12 その他の普通酒 上記のいずれの条件も満たさない清酒

精米歩合が高くなるほどコストも高くなるので価格も上昇します。

純米酒に比べて本醸造酒は醸造アルコールを添加すると聞くと、「食品添加物」を思い出すかもしれませんが、純粋なアルコールなので、食品添加物とは異なります。

タイプで選びましょう


「純米酒」

古代から戦前まで清酒はすべて米・米こうじだけで作られる純米酒でした。純米酒は、濃厚で米本来の旨味が豊かで、蔵元の個性を堪能するには最適な酒です。

食事の相性:ご飯に合う濃厚な素材・味付けのものが最適です。

飲み頃温度:そのまま冷や、ぬるめの燗で。生もと・山廃系は熱燗でもいけます。

「本醸造酒」

精米歩合70%以下(30%以上をぬかとして取り除く)の白米を使用して、発酵の終わった醪(もろみ)に、ごく少量の醸造アルコールを添加した酒。純米酒にくらべ淡麗ですっきりとした味わいになりやすい。

食事の相性:どちらかというと一般的なシンプルで軽い食事・肴によく合います。

飲み頃温度:冷やして、そのまま冷や、ぬるめの燗で。生もと・山廃系は熱燗でもいけます。

「大吟醸酒」

吟醸酒のうち精米歩合が50%以下の白米で、醸造アルコールを白米総重量の10%以内添加した吟醸酒を「大吟醸酒」といいます。醸造アルコールを添加することで吟醸酒の香りの成分であるエステル類が溶けやすくなり、より香り高い吟醸酒に仕上がりやすい。

食事の相性:淡白な素材を活かした料理がよく合います。逆に肉など油が多い料理にはあまりおすすめできません。フルーツも相性がいいです。

飲み頃温度:冷やして、そのまま冷やで。

「純米大吟醸酒」

吟醸酒のうち精米歩合が50%以下の白米で、醸造アルコールを添加しない純米タイプのものです。大吟醸は華やかな香りと軽やかな味わいが特徴ですが、純米大吟醸は香りがやや控えめで味わいは濃厚になる傾向があります。杜氏の技量が問われるお酒と言えます。

食事の相性:淡白な素材を活かした料理がよく合います。

飲み頃温度:冷やして、そのまま冷やで。

「生酒」

通常、日本酒は出荷されるまでに2回の加熱殺菌が行われます。1回は新酒を貯蔵する際、もう1回は出荷のためのビン詰め時。一切加熱殺菌をしてないものを「生酒」「本生」といいます。また、生酒のまま冷蔵タンクで貯蔵し、ビン詰め時にだけ加熱殺菌を行った「生貯蔵酒」、貯蔵する際にのみ加熱殺菌し、ビン詰め時には行わない「生詰酒」もあります。

まるで白ワインを思わせるフレッシュな生酒。

食事の相性:爽快で若々しい日本酒は、料理の特性を良く引き立ててくれますが、冷やした白ワインの感覚で料理を楽しんでいただければと思います。

「熟成酒」

搾りたての新酒は、フレッシュですが、タンクやビンに詰めて貯蔵することでまろやかに変化します。また様々な成分が酸化や化合、分解を繰り返すことで、少し黄色がかり、複雑で濃厚な味わいに変化します。日本酒は、世界で唯一季節ごとに熟成の違いを楽しめるお酒。冬から春にかけては「しぼりたて」、初夏からは「生酒」、秋には「ひやおろし」、そして一年熟成の「熟成酒」は、季節ごとの旬の食材と相性がいいです。

「古酒」

日本での酒造りは、新米が収穫された秋から翌年の春にかけて行われます。そのため1965年以前の酒造年度は10月1日~翌年9月30日でしたが、現在は7月1日~翌年6月30日までです。蔵元では前の酒造年度に造られた酒を「古酒」といい、前々酒造年度以前に造られた酒を「大古酒」といいます。一般的には三年以上熟成された酒をいいます。熟成年度によって違いますが、まるでシェリー酒や紹興酒に似た独特の風味になるものもあります。古酒は長期熟成酒ともいいます。

食後酒にもいいですが、食中にちびちびと楽しむのに適しています。

食事の相性:濃厚な料理に。例えば、鰻の蒲焼き、麻婆豆腐、豚の角煮、ビーフシチュー、スパゲッティミートソース、フォアグラのソテー、北京ダック、焼売、ラムのステーキなど。