10年以上前に、日本酒の伝統と技を伝える四大杜氏集団 但馬杜氏 たじまとうじという投稿を、行いました。平成8年度から20年経て、現状はどうなっているのか気になり、Webで調べてみましたが、データが見当たらないので、湯村温泉のまち、新温泉町湯の美方郡広域事務組合内にある但馬杜氏組合に伺いました。

当店から湯村温泉までは、国道482号の蘇武トンネル開通で香美町村岡区とずいぶん近くなりましたがお隣の新温泉町湯までは、それでも37km、約50分かかります。

杜氏とうじとは酒造りの技術職人集団という意味で杜氏と呼称されることもありますが、正確には「酒造りの最高責任者」のことで、杜氏と呼ばれる長(おさ)は、一つの酒蔵でただ一人です。杜氏のもとで酒造りに携わる職人は蔵人(くらびと)と呼ばれます。

但馬地方には、全国で最大規模の越後杜氏、南部杜氏に次いで3番めに杜氏数を誇った但馬杜氏組合の他にも城崎郡杜氏、南部杜氏、かつては出石郡杜氏と4つの組合がありました。但馬杜氏組合は但馬西部の美方郡の旧温泉町、旧美方町、旧村岡町で組織される杜氏組合です。

平成元年度には杜氏数240人、組合員(杜氏を含む)合計1202人おられましたが、平成8年には、198名でしたが、平成26酒造年度には杜氏数35人、組合員(杜氏含む)合計111人。平成29年酒造年度は27名にまで激減していました。

ちなみに酒造年度とは、毎年の7月1日から翌年の6月30日までをいいます。そもそも「酒造年度」は、明治29年(1896年)の「酒造税法」(現在の酒税法)において「毎年10月1日から翌年9月30日」と定められていました。10月1日を「日本酒の日」と定めているのはこのためですが、原料米の割り当てを計画する都合上、昭和40酒造年度からこの期間となりました。

醸界タイムズ 2016年02月23日に次の記事がありました。

日本酒造杜氏組合連合会会員数調

日本酒造杜氏組合連合会によると平成27年度は全国で杜氏703人(前年度735人)、三役数(杜氏補佐など)210人(同230人)、一般会員1357人(同1339人)、合計で2270人(同2304人)が酒造りに携わった。

近年農村地域の過疎化、高齢化現象と並行して、酒造業に従事する季節労働者も高齢化し、その数は急速に減少してきた。これら季節労働者不足を補うために、機械化が進められ、また若い社員技術者らも混じって酒造りを行うようになっている。そのため一般会員数は微増している。杜氏の技術を学びながら、社員での酒造りが本格化してきていることがうかがえる。

但馬杜氏の状況

但馬杜氏組合から頂いた資料によると、予想以上に但馬杜氏数は激減し、但馬出身者でいわゆる杜氏職をされておられる方は香美町で5名、新温泉町で9名の計14名にまで激減していました。美方郡外というのは、但馬出身者というのではなく、各地方による酒造りの様式はそれぞれ丹波流、但馬流、越後流、南部流、越前流等々と称し、各流派独自の技術を誇りにして日本酒の製造に当たっています。その但馬流の技術を学ばれた方をさします。といっても現在では色々な事柄が科学的に解明され、以前ほど各流派の特徴は少なくなりつつあります。

 

平成29酒造年度 但馬杜氏組合

(敬称略)

香美町




勤務地(就業先)商標(代表銘柄)杜   氏
府県名醸造場所醸造場名及び氏名住 所氏  名
 1 滋賀県 草津市矢倉1-3-33 古川酒造㈲

古川睦夫

 天井川村岡区

宿

 上田忠弘
 2 大阪府 高槻市富田町6-5-3 清鶴酒造㈱

石井清祐

 清 鶴村岡区

熊波

 南部孝春
3 兵庫県 姫路市広畑区本町3-583 田中酒造場

田中康博

 白鷺の城村岡区

柤岡

 (顧問杜氏)

岸  進

 奈良県五條市今井1-1-31 五條酒造㈱

中元英司

 五 神
 4 香川県 小豆郡小豆島町馬木甲1010-1 ㈱森國酒造

池田亜紀

 森小代区

広井

 井上 昇
5 兵庫県 美方郡香美町小原600-2 香住鶴㈱

福本芳夫

 香住鶴香住区

 松本幸也

新温泉町




勤務地(就業先)商標(代表銘柄)杜   氏
府県名醸造場所醸造場名及び氏名住 所氏  名
 6 三重県 津市久居本町1583 ㈱油正

川端公子

 初 日 塩山 山本隆章
 7 兵庫県 加東市下滝野474 神結酒造㈱

長谷川眞一郎

 神 結 飯野 中井増時
 8 〃 姫路市林田町六九谷681 ヤヱガキ酒造㈱

長谷川雄介

 八重墻 塩山 (顧問杜氏)

田中博和

 9 鳥取県 岩美郡岩美町浦冨1694 ㈲高田酒造場

高田睿爾

 瑞 泉 海上 池成 均
 10 〃 倉吉市駄経寺町2-31 元帥酒造㈱

倉都祥行

 元 帥 中辻 西澤篤之
 11 〃 東伯郡琴浦町浦安368 大谷酒造㈱

大谷修子

 鷹 勇 飯野 寺谷 保
 12 広島県 東広島市西条本町6-32 亀齢酒造㈱

石井英太郎

 亀 齢 岸田 西垣昌弘
 13 山口県 山陽小野田市厚狭367-1 永山酒造(名)

永山純一郎

男 山

山 猿

 飯野 寺谷 進
14高知県安芸郡安田町安田1875㈲南酒造場

南 卓治

玉の井

内山岡田隆博

美方郡外

※郡外者は美方郡外居住者で現地雇用者を含む




勤務地(就業先)商標(代表銘柄)杜   氏
府県名醸造場所醸造場名及び氏名住 所氏  名
 15 京都府 京都市伏見区本材木町680 月桂冠㈱内蔵

山中洋祐

 月桂冠 京都 相川元庸
 16 〃 与謝郡伊根町平田67 向井酒造㈱

向井崇仁

 京の春 京都 向井久仁子
 17 大阪府 高槻市富田町3-26-12 壽酒造㈱

橋本憲治

 國乃長 大阪 富田祐介
 18 〃 岸和田市稲葉町117 井坂酒造場

井坂佳嗣

 三輪福 大阪 井坂喬昭
 19 兵庫県 神戸市東灘区青木2-1-28 宝酒造㈱白壁蔵

碓井規佳

 松竹梅 滋賀 金子義孝
 20 〃 加古川市平岡町新在家2333-2 キング醸造㈱新在家工場

片井伸明

 播州錦 兵庫 畠 康造
 21  〃 姫路市広畑区本町3-583 田中酒造場

田中康博

 白鷺の城 京都 須川陽司
 22  〃 赤穂市坂越1419-1 奥藤商事㈱

奥藤利文

 忠臣蔵 兵庫 奥藤利文
 23  〃 朝来市山東町矢名瀬町545 田治米(名)

田治米博貴

 竹 泉 兵庫 高橋慶次
 24 奈良県 生駒市壱分町866-1 上田酒造㈱

上田和弘

 生 長 奈良 池田 功
 25 〃 五條市今井1-1-31 五條酒造㈱

中元英司

 五 神 奈良 松本晋二
 26 和歌山県 伊都郡かつらぎ町中飯降85 初桜酒造㈱

笠勝清人

 初 桜 和歌山 河嶋雅基
 27 岡山県 新見市哲西町上神代951 三光正宗㈱

宮田恵介

 三 光 徳島 山上道広