Sankei.bizによると、
国内大手ワインメーカー各社が、世界的に評価が高まっている「日本ワイン」の生産強化に乗り出している。30日から表示ルールが厳しくなり、国産ブドウを100%使い、国内で醸造したものしか日本ワインと表示できなくなるのがきっかけだ。各社は、ルール変更を日本ワインのブランド価値が上昇し販売増加につながる好機と捉え、新しい醸造所の設置や国産ブドウを安定的に確保するため、自社農園の拡張などを進めている。
■大手メーカーの日本ワイン強化策(ブランド名と内容)
【メルシャン】
シャトー・メルシャン 長野県塩尻市の醸造所が今秋稼働。同上田市で新醸造所を10月に着工
【サントリーワインインターナショナル】
登美の丘ワイナリーなど 山梨県甲斐市の醸造所のブドウ畑拡張などで、栽培面積を2022年に倍増
【アサヒビール】
サントネージュ 生産・販売を25年に17年比3倍に相当する2万箱、3億円に
【サッポロビール】
グランポレール 北海道北斗市に自社農園を開設。自社畑は2.6倍の41ヘクタールに
【マンズワイン】
ソラリスなど 長野県小諸市の醸造所でブドウ畑を3割増やし、日本ワイン生産も3割増
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【用語解説】日本ワインの表示ルール
これまではバルク(一定量の容器)で輸入したワインや濃縮果汁を使用しても、国内でワインに醸造したり、瓶詰めしたりすれば日本のワインとして「国産ワイン」と表示できていたが、国税庁が告示した「果実酒等の製法品質表示基準」が30日に施行され、今後は認められなくなる。「日本ワイン」は国産ブドウを100%使用して国内製造した果実酒と定義。輸入ブドウを使って国内製造したワインは「国内製造ワイン」と表記する。濃縮果汁などの輸入原料を使用したワインは「濃縮果汁使用」「輸入ワイン使用」などの表記が義務付けられる。